アレルギー疾患で受診される方へ

アレルギー疾患については、気管支喘息軽症のアトピー性皮膚炎を中心に診療しております(アレルギーの専門外来はございません。)

 食物アレルギーについては、近年では湿疹からの皮膚のバリア機能の低下による経皮感作が、食物アレルギーの発症要因として考えられるようになっております。そのため乳幼児の食物アレルギーの治療は、発症や症状を改善させるため、原因食物の必要最小限の除去皮膚の外用療法を中心に行います。詳細な問診が必要な方(特に乳幼児)は アレルギーの専門外来のある施設をご紹介させて頂 く場合がございます。経口免疫療法や食物経口負荷試験をご希望の方も、アレルギーの専門外来のある施設をご紹介させて頂いております。

※当院は小児内科疾患の診療が中心のため、アトピー性皮膚炎が重症の方は皮膚科の受診をおすすめする場合がございます。

食物アレルギーや気管支喘息の書類について : 書類の作成を希望される方は、診察時間終了の1時間前にはなるべくご来院ください。記載内容が広範囲にわたる場合や、午前11時以降・午後5時以降の来院の場合は、書類をお預かりし後日のお渡しとなる場合がございます。※記載内容が前年度と同じ場合は、前もって窓口に書類をお預け頂けると、後日スムーズにお渡しできます。前年度と内容が同じで、記載内容が多い方はなるべく書類をお預け下さい。学校や園に提出するアレルギー疾患の書類で『保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表』、『学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)』以外の書類には、1,500円(税込)/1通のご負担を頂いております

ご予約について : 他の病気で当院に受診歴があっても食物アレルギーの事を初めて相談される方は担当医が不在の場合もありますので、お電話で予約をお取りください(インターネットでの予約は食物アレルギー相談2回目以降の方のみお受けしております。)食物アレルギー相談の2回目以降の方でも書類を作成する方は、診察時間終了の1時間前にはなるべくご来院ください。食物アレルギーの以外のアレルギー診療(喘息、アレルギー鼻炎等)の方はお電話での予約は必要ありませんが 、初めて相談される場合は、木曜日以外の診療日で診察時間終了の1時間前にはなるべくご来院ください。

アレルギーの血液検査については、以下のことをお願いしております。

 乳幼児で湿疹がある方は、まず問診とその後しばらく間はスキンケアと外用薬(ステロイド剤)等による薬物療法を中心に診療させて頂いております。何らかの食物によるアレルギーの関与を心配されている場合でも、初診後からしばらくの間はアレルギー検査は致しておりません(食物アレルギー診療ガイドラインに準じております。)他院で既に外用薬を処方されている方も同様にお願いします。

 食物アレルギーの血液検査については、現時点においては検査の結果のみで原因食物を確実に特定することはできません(確定診断は食物経口負荷試験となります。)アレルギー検査の数値が上昇していても食べられる場合が多くみられますし、数値が0でも食べて症状がでる場合もございます。そのため検査は医師が必要と判断した場合に行っております。特に年齢の小さなお子様にとって血液検査は大変負担のかかる検査ですし、希望での検査は承っておりません

 例として離乳食開始前などで「今まで食べたことがないから検査をしたい」「食べたことがなく調理実習で食品を触るため検査をしたい」等での検査は行っておりません(検査をしても症状と検査結果が一致しない事が多く、検査結果のみをもって摂取可能か不可能か、どちらの判断もできないためです。)原因不明の湿疹(蕁麻疹)のための血液検査も、検査をしてもほとんどの例で原因が判明しないため積極的に行ってはおりません。

 血液検査は食物負荷試験とセットと考えるため、紹介先の専門病院で負荷試験前に行うことをおすすめしております。当院で検査をする例としては、ある食品を摂取後に明らかにその食品による症状が出現する場合に、その食品についてのみ検査をする場合があります。またステロイド塗布してもなかなか改善しない乳児のアトピー性皮膚炎の方は、血液検査をする場合はございます。 ※ステロイドを塗っているときは皮膚がきれいになるけれど、塗布を止めると湿疹がでるという場合は、ステロイドが効いていると判断するため(食品が原因ではなく皮膚自体に原因があると考えるため)、検査ではなく外用療法を中心に行います。

 保育園から書類提出のためアレルギー検査をするように言われている場合でも、医療機関は診療行為について保育園から指示を受ける立場にはないため、同様とさせて頂いております。 ※食物アレルギー児の給食の提供における厚生労働省の「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」(←インターネットで閲覧が可能です)においても、食物アレルギーを血液検査だけで診断することはできないとあり、「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」にはアレルギー検査のデータ等は記載する必要はないとなっております。